独立開業戦略レポート - 先輩社長から学ぶ起業への道のり

資金ゼロ、知識も無い… ゼロからのスタートでも実現できる、どんな業種の起業にも必要な行動計画とは?

資金5万円で起業した子育て主婦が半年で夢を実現できた4つの理由

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株式会社ルカコは抱っこひも収納カバーの専門店。CEOの仙田さんは二児のママさんです。布代5万円を元手に手作りからはじめたショップは、たった半年で100万円の売上を達成。創業2年半で会社を設立、月商500万円、社員32名という規模になりました。

創業ストーリーはこちら。

www.mama-lucacoh.com

創業時、お子様は2歳と4歳。一番手のかかる時期です。その上、ご主人が単身赴任という、いわゆるワンオペ育児。そんな中で起業、会社設立、規模拡大、とトントン拍子に成功の道を歩むことができたのはなぜなのでしょうか?

「ママさんならではの役立つ商品を作れたから」

「夢をあきらめなかったから」

もちろん、そんな「思い」もとても大切です。しかし、本稿ではあえて「経営」「起業」という視点から成功の要因を考えてみることにしました。CEOの仙田さんが「起業家」「経営者」として優れていたのは、具体的にどういった点だったのでしょうか?

その1 広報活動は起業前から

仙田さんは、「抱っこひもカバー」を作るずっと前から育児日記を書いてブログに投稿されていました。お子さんの成長の様子や、ママ友さんたちとの交流、そして手作りのお洋服やグッズなど、多いときは1日数件もの記事を投稿されており、熱心に取り組まれていた様子がわかります。

手作りのスカートやカバン、子育てに便利なグッズなどを作り、写真を撮って紹介。もちろん、そのときは起業の準備としての広報活動だなんて思って書かれたのではないと思いますが、作品を作ったときの思いや、工夫したところの説明、そして読者さんとのやりとりを見ますと、自然と「私も欲しい!」「自分でこういうの作れたらなあ」との思いに至ります。

多くの子育てママさんが「こういうの、欲しい!」と思った「抱っこひもカバー」も、何の脈絡もなく、いきなり「作り方無料でさしあげまーす」なんて書いたところで、見向きもされなかったでしょう。

それまで時を重ねて培ってきた「作る、その思いを伝える」ということを積み重ねてきたからこそ、読者さんの反響を呼ぶことができたのではないでしょうか。

その2 無料でお試し

抱っこひも「エルゴ」は便利だけど、かさばって持ち運びが大変、収納できるものがあったら…仙田さんはそんな思いで「抱っこひもカバー」を自らの手で作りました。そして、その作品をブログで紹介、作り方を無料でダウンロードできるようにしたことで、大きな反響を得たそうです。

この「無料ダウンロード」、商品を売る前提で「無料お試し」をしたわけではありませんが、大きな反響を呼ぶこととなり、商品化につながりました。結果的には「無料お試し」の成功例と言えるのではないでしょうか。

また、「無料」だったからこそ得られた成果がもう一つあります。それは、無料ダウンロードということでより多くの人が関心を持ち、多くのコメントが寄せられたため、それらの感想を商品の改善に活かすことができた、ということです。

寄せられたコメントには様々ものがあり、作り方をダウンロードできても自分で作れないので作ってほしい、という人もいれば、誰にでも作れるのだから商品にしても買う人はいない、という人もいたそうです。

また、実際に作って使ってみた人のコメントも寄せられ、マジックテープでは繊維がくっつくのでパッチン留めの方がいいとか、ユーザーでなければわからない細かい改善点についても多くの意見が寄せられたそうです。

こういった、ユーザーの意見は本当に大切ですよね。聞いてみなければわからない、予想もしない感想も出てくるのですから。

便利なものを作ったから売る事にしよう! といきなり販売するのではなく、「これ、あると便利!あなたも作れますよ。こうやって作ればいいんですよ!」と出し惜しみせずに作品を紹介したこと。

このことが、多くのユーザーさん、将来のお客さんを引き寄せた。そして、商品化に向けての貴重な意見を集めることができたのです。

もし、一番最初に、型紙を数千円で販売、ってやってしまったら、そんなに反響も得られず、お客さんからの意見も集めることはできなかったでしょう。無料にすることによって、お金では得られない貴重な情報を得ることができた、というのは、結果論かもしれないけれど、非常に考えさせられるものがあります。

その3 働く人の事情を最優先に

仙田さんは、会社設立後、子育て中の主婦の方たちが安心して働けるよう、労働環境に最大限の配慮をされました。ママたちが使うものだから、ママたちが作り、ママたちが届ける。そのためには、ママたちが快適に働ける環境を作らなければなりません。

そこで、10時~13時、13時~17時、というワーキングアワーを設定したそうです。午前の部は幼稚園や低学年のお子さんがいる方。午後の部は小学校高学年のお子さんがいる方にちょうどよい時間。午前中に家事と夕食の支度をしてしまい、午後から働いて、お夕食の時間までには帰れる、という時間帯です。経験者でないとわからない、一番働きやすいスケジュールですね。

また、人数の配置に余裕を持たせ、自分たちでシフトを組み、「休みやすい」環境まで作っています。

こういった子育て中の主婦、若いママさんが働きやすい仕組みを作ったことで、募集には大勢の候補者が殺到。人数が集まれば、いい人材を採用することができます。本当にやる気があり、スキルのある人を選ぶことができれば、会社に大きな活気が出てきます。 

誰もがうらやむような、働きたいと思う会社。そこにいい人が集まらないわけがありません。

その4 悩みを解決、その価値を提供

株式会社ルカコの創業ヒストリーを読むにつけ、月並みですが「人の役に立ちたい」という強い思いはビジネスの成功に欠かせないものだ、とつくづく思いました。

自分が欲しいと思ったもの、役だったものを作った→それを人に伝えたい、使ってほしい

自分が働けるところを見つけるのに苦労した→働く人の事情を考慮する職場にしたい

自分が何かの問題にぶち当たり、それを解決した、そしてそのノウハウを他の人にも伝え、役に立ってもらえたら。

そんな思いがつまった会社。筆者はママさんではありませんが、そんな会社に勤められたらどんなにいいだろう、と心底思います。

また、そんな会社が作れたら、世の中にこんな会社がどんどん増えていったら、日本の行く末もとても明るいものになるのではないかと思います。

子育て中という立場ではなくても、この会社には本当に見習うべきところが多いのではないでしょうか。

 

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