笑顔で楽しく働ける仕組みを整える

富山市の家具製造販売会社「株式会社ミヤモト家具」。創業は１９４１年で、現社長の祖父の代、という記述を見て、これから起業しようとする人に参考になるのだろうか、と思ってしまったのですが…

起業より継承の方が大変なこともある

○代目の社長、というと、できあがっている会社をそのまま引き継いだんでしょ、なーんだ跡継ぎじゃーん、なんて羨望の目でしまいがちですが、いやいや、とんでもない。宮本家具の創業ストーリーをたどると、ゼロから起業するより、むしろ後を継ぐ方が気合いと根性と思い入れがなければやっていけない、ということを思い知らされます。

動画の宮本社長は静かな面持ちで淡々と語っていますが、祖父と父の相次ぐ急逝の後、店をたたむかもしれない、という状況で、会社員をやめて有限会社ミヤモト家具を立ち上げたとのこと。大手の地方進出の煽りを食って、借金は１億円になっていたそうです。

当時の年商は３０００万円だったそうですが、借金の額を考えると、仕入れて販売するだけでは、やっていくのは難しいと判断。そこで、お客様に良いものを提案し、より良い空間を提供、それに対して対価をいただくという提案型のインテリアショップという形で再出発をしました。

その後は少しずつ成長を遂げ、ついに自社工場である「VintageFactory（ヴィンテージ・ファクトリー）」を設立。

デザイン・製造・コーディネート・接客販売・配送・メンテナンス・カタログ製作までを一貫して行うプロショップとしての地位を確立したそうです。

www.miyamoto-kagu.net

経営難を乗り越える攻めの戦略

経営難に陥った場合、まずはコスト削減とか、規模縮小とかを考えるのが普通なんじゃないかと思うのですが、宮本社長がとった道はその逆。家具の仕入れだけでなく、製造も手がけることにしたんですね。提案型となると、自社がお勧めするものを探すよりは、作った方がより自信を持って勧められる、ということでしょうか。

まあ、よく考えると、店頭に置いてあるものを気にいってくれるお客さんが偶然訪れるのを待っているよりは、提案できるものだけを仕入れる、作る、方が効率的ですし、むしろその方が無駄がなくなるのでコスト削減になる、という考え方もできますよね。しかし、それにしても実際に挑戦するというのは大変な決断だったのではないかと思います。

そんな宮本社長のメッセージ動画はこちら。

株式会社ミヤモト家具社長メッセージ

f:id:rurippe1960:20171001003943p:plain

正しく努力をすれば、どんな大きな敵にも負けない本当に強くて太い企業になれるということを実証したい

宮本社長のメッセージの中で、印象に残ったものの一つです。

ミヤモト家具のサイトを拝見すると、もう既に実証しているのではないか、と思いますが…

また、最も心に残ったのは、この一言。

スタッフが笑顔で楽しく働ける仕組みを整えていきながら、スタッフを幸せにするのが自分の使命

自らを「志を同じくして集まった最高の仲間の集団」と呼ぶミヤモト家具。社員が楽しく働けるように努力しています、というのはよく聞かれることだと思いますが、幸せに働くというのを「仕組み化」する、というのはすごいなあ、と思いました。仕組み化する、というのは、あれこれ口を出さなくても、自動的にそうなるようなシステムを作るということですよね。社員のやりがいや幸せを「仕組み化」する、という言葉が出てくるだけでも、見習うべき経営者の姿なのではないかと思いました。

家具店をはじめるには

宮本家具のホームページを見ていると、自分もこんなお店をやってみたい、とあこがれてしまいますが、店舗経営の経験が無い私のような者は、何をどうしていいのか、皆目見当がつきません。

でも、いろいろと調べてみたら、インテリアショップとか、中古家具販売、というアプローチであれば、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営している「中小機構」というサイトに以下のような情報が掲載されています。
・起業にあたって必要な手続き
・起業にあたっての留意点・準備
・必要資金例
・ビジネスプラン策定例（売上計画例、損益計算のシミュレーション）

中古家具販売ならこちら

j-net21.smrj.go.jp

店舗面積20坪の中古家具販売店を開業する際の必要資金例が記載されています。

インテリア用品店の場合ですと、こちらになります。

j-net21.smrj.go.jp

郊外住宅地域に近い最寄型商店街、１５坪借店舗の必要資金例が記載されています。

うーん、高級車１台を購入できるくらいの余裕があればできるかもしれない。どんなタイプのご家庭にも素敵なプランを提案できる自信があるぞ！という方なら考えてみてもいいかもしれませんね。